CO.HACHIOJI元気な企業インタビュー

第103回 バディワークス(有)

『ひとつひとつ、じっくり向き合いたい』

取材先 バディワークス有限会社(代表取締役 木下 晋伍 氏)

所在地 東京都八王子市楢原町1152-7

電話 042-655-9885

URL https://buddyworks.co.jp/

気になるお店や商品等があれば、まずはインターネットで検索をし、該当のWEBサイトを見て調べるのが当たり前の昨今。そのページが素敵であれば、「良いな、行ってみたいな。」「欲しいな、買いたいな。」という動機にも繋がるので、集客の観点で重要な役割を担っていることは言うまでもない。

今回は、社名を聞けば誰もが知っている大手企業を含め、200以上のWEBサイト製作の実績を持つ、バディワークス有限会社 代表取締役 木下晋伍(きのした しんご) 氏 にお話を伺った。

  代表取締役 木下 晋伍 氏

                 

20代で独立

インターネットも無く、現在ほどPCが身近に普及していない時代。木下さんは学生の頃からPC-98、MS-DOSに夢中で、Macintoshを手に入れた時にデザイン制作にも触れ、PC好き・デザイン好きを発揮し、最初はお茶の水にあるデザイン会社に入社した。この会社では主にグラフィックを手掛けながら、インターネットにも携わる。

 

取引先は大手企業ばかりで、次から次へと納期に追われる日々。個人的には「この部分にあともう少し手を掛けたい‥。」と思いつつも、プロジェクト全体のスケジュールを考慮して妥協することも多かったそうだ。

 

「ひとつひとつ、じっくり向き合いたい。」

 

この思いを徐々に強くしていった木下さん。その為には組織の一員ではなく、独立しかないと思い立ち、当時ディレクターまで務めていたが退職を決意した。29歳の時であった。

お客様の相棒(Buddy)のような存在になりたい。そんな思いで社名にバディを付けた。

 

アメリカでの経験

 

ポートランドダウンタウンの夜景

 

取引先が都心に多かったこともあり、最初は目白に事務所を構えて仕事をしていたが、会社員時代のご縁で、アメリカ・ポートランド州のITベンチャー企業に出向することになる。ここでは約2年間、DAM(デジタルアセットマネジメント)の開発プロジェクトにデザイナー&プロデューサーとして携わることになる。

デジタルアセットマネジメントとは、写真や映像等のデジタル資産を一元管理することである。

デジタル化がまだまだ進んでいない時代であり、インターフェースも使いにくい。ましてや言葉も文化も異なる場所での作業で、さぞご苦労されたかと思い伺ったところ

「英語は全く話せませんでしたね。でも、身振り手振りで何とか乗り切れたかと。」とのこと。

“マイペース”な木下さんの人柄が出ている。

 

アメリカでの経験は、ものごとの考え方や仕事の進め方において非常に勉強になったという。意外にも、日本人のスキルの高さを再認識したそうだ。

その当時ではあるが、海外では仕事における担当者が細かく分かれており、その分野に特化した作業しか出来ない人が多かった。一方、日本人は一人でマルチタスクをこなす。日本人の器用さは改めてすごいと思ったと木下さんはいう。​

地元・八王子に貢献したい

帰国後、神楽坂や目黒など都心に事務所を構えていたが、自宅購入をきっかけに、地元の八王子に事務所を移すことに決めた。その理由はただ一つ。「これまで培ってきたノウハウで八王子に貢献したい。」

 

事務所を八王子に移転し、八王子商工会議所やサイバーシルクロード八王子に加入。特にサイバーシルクロード八王子では「八王子ITネットワーク」にも入り、活動の幅が広がった。

地元を盛り上げる方法を模索していた木下さん。八王子と言えばやっぱり「八王子まつり」。自身が得意とするIT技術で、何かお祭りを面白くできないかと考え誕生したのが「山車ここ!」だ。

きっかけは、「山車が今どこにいるのか分からない。」という声を多く聞いたから。そこで、19台全ての山車にGPSを搭載し、リアルタイムで山車の位置情報が分かるシステムを開発した。2016年、木下さんが八王子ITネットワークに企画を提案し、実現したものである。

 

 

また、今年9月から6回シリーズでスタートした「ウェブアクセシビリティ講座」。こちらも木下さんが企画運営している。

※ウェブアクセシビリティとは、高齢者や障がい者、利用に不慣れな方を含めてWEBサイトを利用する全ての人が、心身の機能や利用する環境に関係なく情報やサービスの利用を可能にすることである。

 

木下さんがウェブアクセシビリティに興味を抱いたのは、海外での経験がきっかけ。日本ではまだまだウェブアクセシビリティに準拠したWEBサイトを持つ企業は少ない。基準をクリアしたWEBサイトを作るには、制作側も専門的な知識が必要になってくる。木下さんは、いち早くウェブアクセシビリティの重要性に着目し、知識を習得してきた。現在では推進を目的として「(一社)日本ウェブアクセシビリティ協会」も立ち上げ、その代表も勤めている。

 

「全国的に見てもまだまだ取り組みが進んでいない今、八王子でウェブアクセシビリティに対応した企業を増やしたい。八王子の企業全体の底上げがしたい。それには、まずは草の根活動からだと思っています。」

 

木下さんが話す“草の根活動”の一つとして、この「ウェブアクセシビリティ講座」が誕生したのである。「山車ここ!」の時と同様、今回もITを活用して八王子に何か貢献したいという気持ちからスタートしている。木下さんの原動力は、まさに”地元貢献”と言っても過言ではない。

ウェブアクセシビリティ講座の様子

編集後記
「自分が手掛けたWEBサイトがきっかけで、『問い合わせが増えた。』『注文が増えた。』と言って貰えるのがとても嬉しいですね。」お客様が喜んでくださることが自分の喜びだと語る木下さん。

新規顧客は、既存のお取引先様からのご紹介も多いというのも納得である。木下さんならば安心して任せられる、木下さんだから人に紹介したくなる。

お話するその姿は非常に穏やかではあるが、内に秘める熱い想いと実行力、地元・八王子への愛に溢れた人物であった。

 (取材日2019年9月4日)