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吉田観賞魚販売㈱と高尾駒木野庭園がフランス農業高校指導者らを視察受け入れ
11月3日(土)、吉田観賞魚販売㈱(松木)と高尾駒木野庭園(裏高尾町)にフランス農業高校指導者6名とフランス農業省職員1名、駐日フランス大使館職員1名が訪問。錦鯉や日本庭園の視察並びに意見交換が実施された。
日本とフランスは、食料・農業分野における日仏間の関係強化に関する双方の関心に基づき「日仏農政ワーキンググループ」を設立。2016年12月に開催されたワーキンググループにおいて、若手農業者の新規参入の促進について、日仏相互の協力を推進していくことで合意。それを踏まえ、昨年度は、日本の農業高校指導者5名がフランスを訪問し、現地の農業や農業教育の現状を学んだところである。
そして今回は、フランスの農業高校指導者らが日本を訪問。日本の農業や農業教育の現状を伝えることで、今後の日仏農業高校間の具体的な交流・連携を促進し、双方の次世代農業経営者育成に繋げていく狙いがあるという。
今回のプログラムは、約1週間かけて農業高校や農業経営体への訪問、農林水産省・文部科学省との意見交換を実施。その最後の締めくくりとして吉田観賞魚販売㈱と高尾駒木野庭園の視察が実施された。
近年、フランスでも日本文化ブームが到来しているようで、中でも農業分野においては、その迫力と美しさが際立つ「錦鯉」と「日本庭園」が高い関心を寄せられているとのこと。そこで、都心周辺で両テーマに精通されている場所として、農林水産省から視察受け入れの話をいただいたそう。
吉田観賞魚販売では、ランチも兼ねて事業概要や錦鯉の歴史・飼育のノウハウなどを吉田社長よりご説明。
続いて店内の見学。優雅に池を泳ぐ錦鯉の姿をはじめ、種類豊富な観賞魚や植物に高い関心を寄せながら見学する姿が印象的であった。
続いて場所を移して高尾駒木野庭園へ。
2012年に開園された八王子市初の日本庭園。一歩園内に入るとそこはまさに-侘/わび・寂/さび-の空間。池泉回遊式庭園・枯山水・露地・季節の花々・野草・錦鯉・盆栽が包む優しい空気を体感しながら癒しのひとときを過ごした。
また、日本盆栽協会八王子支部長の長沢氏もご同席され、盆栽の紹介や質疑応答などご対応をいただいた。「フランスの農業高校では造園のプロフェッショナルの育成にも注力いている」と語る視察参加者らからは「盆栽」や「石畳」など、日本ならではの造園キーワードが多く飛び交っていた。
最後に、庭園にある喫茶室にてお茶や和菓子を堪能。細部まで日本文化-おもてなし-を体感していただいた。
高尾駒木野庭園の土居園長は「“八王子に素晴らしい文化的資源・産業がある”ことを海外の方に知ってもらえることは大変重要なことだと思います。また、これを受けて“海外の方から注目される素晴らしい文化が八王子にもある”ことを多くの方々に知っていただき、より八王子が盛り上がれば」と語る。
今回視察受け入れをされた吉田観賞魚販売㈱吉田社長は「フランスの方がもつ日本文化への情熱や敬意を感じることができた。ただ、造園や錦鯉飼育のノウハウはすぐに出来るものではない。今後、両国がより連携を深めていくことで、そのノウハウを長期的に伝えられる仕組みづくりが出来たら」と語る。
また、フランス農業高校の指導者からは「フランスでも日本庭園の要素を取り入れている場所が増えているが、やはり本場はスケール感が桁違い。今後、日本のノウハウや情熱を自国に提供してほしい。ぜひ、フランスにお越しいただき、錦鯉や日本庭園をテーマにしたセミナーを開催してほしい」と今回の視察を通じて、より日本文化への高い関心を持っていただけたことが伺えた。
【取材協力】
住 所:東京都八王子市松木15番地3
営業時間:10:00~19:00 ※火曜日は17:00まで
営業品目:園芸植物・栽培用品・観賞魚・飼育用品、ガーデニング工事設計施工、生鮮野菜・食品雑貨、レストラン
住 所:東京都八王子市裏高尾町268-1
開園時間:9:00~18:00(4月~8月)
9:00~17:00(9月~10月)
9:00~16:00(11月~3月)
休園日 :12月29日~1月3日(年末年始)
入場無料。休憩施設・喫茶室あり
【編集後記】
今回視察を取材して、フランスの日本文化への意識の高さと、改めての日本文化の質の高さを実感した。「日仏農政ワーキンググループ」をきっかけとして深まった両国間の交流。今後、八王子を代表する錦鯉・日本庭園の有識事業者らが、益々のおもてなし文化の発展にご活躍されることを楽しみにしている。