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スマートグリッドがチャンスを生み出す~元グーグル社長村上氏登壇~

10月19日(水)京王プラザホテル八王子でサイバーシルクロード10周年記念講演会が開催されました。

講演会のテーマは『「Android City八王子」をめざして』

 

Androidは米国グーグルの開発した無料のOSであり、現在スマートフォンやタブレットなど様々な電子機器に搭載されています。

今回10周年を迎えるにあたり、サイバーシルクロード八王子ではこのAndroidとこれまでの10年間で築いたネットワークを活かし、さらに新たな起業家や学生たちを巻き込んで八王子を『Android City八王子』とするべく活動を進めています。

 

 

10周年記念として行われた講演会では、基調講演として元日本グーグル代表取締役社長の村上憲郎氏をお迎えし、これからの時代における新たな産業の創出、特にスマートグリッド(ITを利用した新たな電力網)のお話を中心にいただきました。

 

スマートグリッドとは電力網と情報網(インターネット)が論理的に束ねられたもの。つまり電力網につながっている全てのものがインターネットにつながることになる」と説明。

さらに村上講師は自身も委員を務める経済産業省の産業構造審議会情報経済分科会の中間とりまとめの最初に「スマートシティの加速化」が明記されていることと、エネルギー・環境会議が作成した「当面のエネルギー需給安定策」の中で、「スマートメーター(通信機能を備えた電力計)を2020年代に原則全戸導入としていた目標を前倒しし、今後5年以内に総需要の8割をスマートメーター化する。これによりスマートグリッドの早期実現を目指す」とあることを主張し、将来的には全ての家電製品が一つの情報網のもとに出会うことになると予測しています。

 

「インターネットの普及が始まった90年代にはグーグルも楽天も存在していない。今そのようなものを思いつけば大きなビジネスチャンスになる。ぜひ八王子からも新しいビジネスが生まれてほしい」として講演を終了しました。

 

 

そのほかには米国シリコンバレーでコンサルティングを営む校條浩氏からは日本と米国におけるベンチャー企業の差について言及。

「ベンチャー企業とは今までにない新しいビジネスモデルを創り出し、大企業になる意志を持つ企業のことであり、普通の中小企業とは違う」と明確に説明。日本流のベンチャーが長く持続させることに対し、「シリコンバレーではどんどん新しいことに挑戦し、失敗を恐れない。リーダーシップの強い企業」と主張。日本との違いを分析していました。

また、「一番重要なことは人と志」と強調し、行政などの支援はサンフランシスコのベンチャー街が市当局の命令で閉鎖されたことを引き合いに出し、「起業家がどんどん起業できる支援が重要であり、そのためには『なにもしない』という支援も重要」と講演を締めくくりました。

 

 

 

 

東京工科大学教授田胡和哉氏からはこれからの社会で求められる教育像が語られました。

「現在の大学ではスキルばかりを重視し、新しい付加価値を作り出せない『技術オタク』を量産していないか」と警鐘を鳴らし、「これからはスキルはもちろん創造した新規価値を社会に伝える能力を持った人材」が必要であると説明しました。

さらに東京工科大学では『実学』を重視し、インターンシップや民間出身の技術者が実践教育をしていることを強調しておられました。

 

 

 

このほか一般社団法人OESFの三浦理事より「アンドロイドを搭載した携帯端末のシェアは昨年は43%だったが、ここ3カ月間は56%と増えている」と加速度的に普及していると指摘。さらには「情報や技術は公開すれば、パートナーができ、クローズすると競争相手ができる」と分析。多くの仲間を創ることが重要と主張しました。

 

現在OESFでは八王子市以外にも神奈川県藤沢市や沖縄県などさまざまな地域と連携を深めており、また、国外にも台湾、ベトナム、スーダンなど世界中にその支部が存在しています。三浦理事からは「Androidを活用して世界の巨大な市場に向かっていこう」との呼びかけがなされました。


 

 

また、最後にはサイバーシルクロード八王子の甲谷会長より、『Android Cityを目指して』と題した講演が行われました。

「サイバーシルクロード八王子の行動指針は『Just do it!』。民間出身者による素早い決断と徹底した現場主義が第一です。地元中小企業と起業家の方たちがお客様であり、行政や商工会議所、金融機関との密接な連携を取って10年間活動を続けてきました」と語る甲谷会長。

これまでの10年間にわたる人材育成支援の結果、数多くの人的ネットワークを形成。また、実際に支援を実行する『ビジネスお助け隊』と呼ばれるアクティブシニアの方たちの強力なサポートにより創業や教育など様々な分野で大きな成果がでました。

 

そして甲谷会長より「今後のサイバーシルクロードの活動は『Android City八王子』を目指してこれまでに築いたネットワークや支援体制を使い、IT起業のAndroid関連受注支援をはじめ、若手起業家の発掘、及び誘致。さらには八王子地場産業との連携や安全安心なまちづくりに向けて推進する」と宣言がされました。

 

 

 

会場には予想を超える270名もの参加者が集まり、Android Cityに対する人々の関心の高さを表しているようです。また、その後実施された交流会でも多くの方が参加くださり、まさに大盛況のうちに10周年記念講演会は終了いたしました。

 

 

 

当日の様子をご覧になりたい方は下記動画をご覧ください。

          動画作成・協力:映像de応援千客萬来研究会 樋口 昭夫氏