CO.HACHIOJI元気な企業インタビュー
第65回 (株)アサヒ化学研究所
情報収集力と製品開発力で、世界市場を狙う!
取材先 (株)アサヒ化学研究所(代表取締役 岩佐 彰大)
所在地 八王子市宇津木町656番地
電話 042-644-2661
e-mail chemi@blue.ocn.ne.jp
代表取締役 岩佐 山大さん
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携帯電話端末の分野で、グローバルな情報収集とタイムリーな製品開発により、世界市場をターゲットに事業を展開している従業員60人規模の会社がある。 |
原材料から基板まで ~プリント基板関連業務に特化~
同社は地元八王子出身(八王子工業高校)の岩佐社長が昭和42年に設立した、エレクトロニクス電子材料の研究開発・製造・販売を行う、社名のとおり「化学」を基本技術とした会社である。
同社は、暁町の賃貸工場からスタートし、昭和45年には諏訪町の自社工場へ移転。平成2年には宇津木町の現在地へ移転し、現在では、原材料から基板までを提供できるプリント基板関連業務に特化。多品種少量生産体制を強みに、エレクトロニクス機器の製造段階で各種部品を実装する際のはんだ付け薬品類・プリント基板加工用の補助材料・各種導電ペースト・各種接着剤の製造、自動はんだ付け装置及び周辺機器の販売を行っている。 |
国道16号バイパス沿い、八王子市宇津木町に立地する(株)アサヒ化学研究所宇津木事業所 |
海外携帯端末市場に狙いを定めて
時代のニーズにも迅速に対応 ~環境への配慮~
製品開発の方向を見極めるもの ~情報収集の重要性~
若手人材の育成にかける想い ~より高付加価値の製品づくりを目指して~
ところで岩佐社長には近年特に憂えていることがある。それはものづくりの将来を担うべき若手人材の現状と、国内電器メーカーの製品開発への慎重な姿勢である。
「最近の若い人は、手が汚れることを嫌います。当社のような原材料開発の過程は、基本的に手が汚れる作業なのです。また、若い人がものづくりの研究開発で入社しても、ものづくりそのものを好きでない人が多くなった。」と語る岩佐社長。同社にはこの4月に即戦力の人材と新卒を併せ、5人が入社した。岩佐社長のもと、必ずや世界市場をターゲットにした同社の技術・製品開発を担う人材が育つに違いない。 また、国内電器メーカーの開発姿勢への見方も、非常に手厳しい。「メーカーでは、材料開発担当の部門が保守的、消極的になっていて、なかなか新しい技術等を採り入れようとしない。ずっと続いてきたリストラの影響で、メーカーの技術者の意欲が低下しているのではないでしょうか。」・・・とは言え、岩佐社長は、景気の回復に伴う消費の増加からか、昨年あたりからメーカーの開発意欲が高くなっているとの感触もつかんでいる。この流れを受けて、同社では、ここ数年海外事業に力を入れてきたが、今後は、国内事業のてこ入れを考えているという。 |
同社はISO9000も取得済。また、同社の環境マネジメントシステムは取引先からも高い評価を受けている。同社入口には誇らしげに登録証や感謝状が飾られていた。 |
「単に売上げを増やすことよりも、新しい技術開発によって、より付加価値の高いものをつくることを目標にすべきだと思う。」製造業の今後目指すべき方向性について語る岩佐社長。岩佐社長に率いられる同社は、これからもグローバルな情報収集と独自技術に裏付けられたタイムリーな製品開発で、世界市場を相手にした付加価値の高い製品をつくり続けるに違いない。
これら海外各地に派遣・常駐する社員からの情報を適確に分析し、顧客の要望に対しタイムリーに製品開発に活かしていく。ここに同社の強みと凄さを感じる。