CO.HACHIOJI元気な企業インタビュー

第90回 ライジングサンコーポレーション(株)

『地域に根差したきめ細かなITサービス』

取材先 ライジングサンコーポレーション株式会社(代表取締役 坂本佳子社長)

所在地 東京都八王子市明神町4-6-12

電話 042-660-1036

URL  http://www.rscsoft.co.jp/

     代表取締役の坂本佳子さん
 

 現在、ITは事業活動のありとあらゆる場面で活用されている。取引先との電子メールのやり取りやホームページ検索はもちろん、ブログ、SNS(「ツイッター」や「フェイスブック」など)を使った販促活動、経理・会計ソフトや社内グループウェア、業務管理システムによる経営効率化など、今やITは企業経営に欠かせないものとなっている。 

 
 今回は、地元八王子の中小企業をメインに、ホームページ制作や業務システム開発、ハードウェアに付随するソフトウェア開発など、「IT」に関する幅広いサービスを展開している、ライジングサンコーポレーション(株)の坂本佳子(さかもとけいこ)社長にお話を伺った。

 

 

「両国国技館」の音響システムを整備

 ライジングサンコーポレーションの前身は、30年前、先代に当たる坂本社長の父とその親友2名で立ち上げた「多摩ソフトウェアシステム」。当時は情報インフラ整備にようやく焦点が当たり始めた頃であり、時流に乗った創業だった。主に日立関連の仕事を請け負い、両国国技館の音響システムの仕事にも携わったそうだ。

 「当時としては画期的な『音を目で見る』というシステムを数社で手を組んで整備したと聞いています。その仕事が呼び水となり他からも依頼がくるようになって」
国技館のどこにいても聞きやすい音響を開発
 その後、八王子以外にも青森や横浜、弘前に営業所を構え、そこからエンジニアを派遣した。90年代に入っても金融関係の為替システムや銀行振込などの大手の業務基幹システムを次々と手掛け、事業は順調に拡大していく。
 
 
 
 

突然の事業承継

              事務所内の様子     
 しかし、転機は2003年に訪れる。先代社長の予期せぬ体調不良により、会社の指揮が取れなくなってしまったのだ。その頃、坂本社長は大手専門店(百貨店)のOLとして働いており、事業を継ぐ気は全くなかったという。
「父の具合が悪くなり、実質的に会社が動かない。主人でもある専務は現場に出なければいけない。そうするともう経営できる、できないの問題ではなくなってしまって。自分がやらなければ社員の皆を不安にしてしまう、継げるのは自分しかいないと決意しました」
 
 当時の社員は全員クライアントの現場で仕事をしており、ライジングサンとしてのオフィスは持っていなかった。月に一度「貸し会議室」などを借りて業務報告をするだけだったという。

「承継しても何をしていいか分からない日々でした。とにかく現場に出て社員から話を聞き、資金繰りや経理の勉強など2年間はまず実態を『知ること』が仕事でした」

  現場に行くと、派遣先からの評価はとても高く、社員のモチベーションも高かった。「現場での勉強を重ねていくうち、この会社を絶対に潰してはいけない、下請の仕事だけではなく、自社としの意思をもった仕事も立ち上げていきたいと強く思うようになり、自分が“社長”であるということを少しずつ自覚していきました」

  その後、現在の「八王子プラザホテル」内にオフィスを構え、営業活動を開始。まずは地域の様々な会合に参加し、同業社がどのように仕事しているかを学んだ。現在の『八王子IT協同組合』への参加もその一つである。坂本社長はこの組合に参加し、それまで経験の少なかった「ホームページ制作」の仕事に積極的に取り組んだ。

「一体当社で何が出来るのか本当に手探りでした。それでも、どんな仕事でも取り組もう、組合の一員として頑張ろうと、そればかりを考えていました」

 組合での仕事経験が契機となり、「ホームページ制作」もライジングサンの一つの柱の業務となっていく。

 

            

「お客様の立場」に立った親身な対応

 社長自身は元々“文系人間”で、コンピュータやプログラミングには詳しくなかった。「ITの仕事と言ってもどんな仕事なのかイメージができませんでした。色々な業界用語も社員から教わっていました」 
 それでも社長が自信を持って「営業活動」を行える理由は、お客様の立場に立った親身な提案と対応、また技術面でも基盤からアプリケーションまでのトータルサポート、WEB関係にもオープンソースにも強い社員の能力を信じているお陰だ。
 
例えば、お客様の要望は、最初に徹底的に聞く。またトラブルが起きた時の対応のスピード。問題があれば直ぐに駆けつけて解決に当たる。地元企業だからこその「地の利」を活かした強みだ。
      雑誌風「縦書き」のホームページ
 
 お客様の細かい要望に応えられる技術力もある。『雑誌感覚で見れるウェブページを作ってほしい』との依頼には、それまで「縦書き」のサイトはあっても、ほとんどが「一枚の画像」のようなものが一般的だったが、見た目も綺麗なテキストを使った縦書き表示のページを作成し見事応えた。「ショッピングサイト」の依頼では、お客様が注文しやすいように、商品をかごに入れると常に中身とその合計金額が表示されるシステムを実装した。さらにショッピングサイトの売上データや顧客履歴を自社の経理システムにも連動させ手間を省く。常にお客様目線に立ったきめ細かな対応こそがライジングサンの真骨頂である。
 
 そんな坂本社長が常に心がけていることが社員のスキルアップ。「個別に面談をしながら、社員のやりたい技術で仕事してほしいと思っています。新しい技術を使う機会があるなら積極的に使ってもらい、既存のやり方にとらわれないスキルを身につけてもらいたくて」
自社の技術に自信があるからこそ、安価に受けて数だけをこなすような仕事はしない。社員を尊重し、少しでも仕事のしやすい環境を作ろうと坂本社長は常に努力している。
 

いつまでも「挑戦し続ける会社」に

社員のスキルアップには注力  
 「事業の内容は時代の変化と共に、今までも、そしてこれからも変わっていくと思います。この競争の激しい経営環境の中、いつまでも事業を継続していくために、常に挑戦し続けていきたい。挑戦し続けることのできる会社になることが希望であり、夢です。今後はハードウェアと連携するソフトウェア開発など、よりハードに近い部分の仕事にも積極的に関わっていきたい」
 
 今年4月には新入社員を迎える予定とのこと。突然の事業承継にも関わらず支えてくれた社員こそが財産、社員に苦労をかけている分、人一倍、共に歩み続ける社員を大事にしたいと、坂本社長は最後に強調した。
 
 
 
編集後記
今回のインタビューに答えて頂いた坂本社長は、当協議会主催の後継者育成塾「はちおうじ未来塾」の卒業生でもある。未来塾への参加は、事業承継する際の大きなターニングポイントであり、自分が会社をどうしたいか見つめ直す良い機会であったという。また、その時にできた縁は今でも強く繋がっているそうだ。地域IT業界のシンボルとして、いつまでも「挑戦者」であり続けてほしい。
 
(取材日2013年1月14日)