CO.HACHIOJI元気な企業インタビュー

第55回 富士プリント工業(株)

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電気を使うものすべてに基板は使われている

取材先 富士プリント工業(株)(代表取締役 荒井勇輝)

所在地 八王子市下恩方町315-11

電話 042-650-8181

e-mail info@fujiprint.com

URL www.fujiprint.com/

■設立/1979年10月  ■資本金/9,980万円 ■社員数/63名

■事業内容/・プリント基板の設計・製造・試作・修理・実装

 

 基板を作ることを通じて、社会の基盤を支えている富士プリント工業株式会社。国内の基板市場規模が減少している中で顧客のニーズに合わせて、事業を幅広く展開しながら八王子の力を借りて短納期で基板を製造し、順調に成長している。
幅広く展開した事業を活かし、会社を支える柱を増やしながら、ゆくゆくは基板業界の1つの大きな柱とするべく、富士プリント工業は今後もさらに前進していく。

自社の強みや魅力はなんですか?

 強みは少量多品種短納期なので、仕事が海外に行きにくいところです。少量の基板を海外で製造し日本に送ってもらうと、輸送費が基板本体の価格よりもかかってしまいます。国内で全ての工程を完結することで価格を抑えることができるのです。
基板の国内市場規模は2007年と比べて半減しているのに対して、富士プリント工業は海外の基板市場規模と同じようにここ数年伸びており、相対的に業界内の順位は上がっていると思います。また、八王子はかつて繊維関係の工場が集中していたことからのつながりなのか、基板屋さんや部分加工・表面処理の工場が多く、連携し易い立地であることや納期の順守率も98~99%と、とても高いです。

その他の強みとしては、特殊な製品、例えば、わかりやすいものだとサイドスルーホール(基板の外周が欠けるように加工すること)のような他の会社が嫌がるような加工などもやっています。

 

 

 

どのような製品/サービスを提供されていますか?

 富士プリント工業は、電子回路基板を製造している会社です。少量多品種向けなので、スマートフォンやパソコンなどの大量に作られるものではなく、産業機器や測定機器、健康診断で使う機械など、比較的に数が少ない基板を中心に製造しています。枚数でいうと100枚以内の注文が多いです。
電気を使うものすべてに基板は入っているので、使われる製品に対応して多層基板などの特殊なものも多く、多品種の基板を幅広く製造しています。

グループ会社を通じて基板設計・製造、部品実装、筐体・機構設計、板金加工、組立配線、検査までを行います。

 

 

 

従業員に求める能力/スキルはなんですか?

技術面は、入ってからでも十分。そんなに難しいことはなくて、特に新入社員の時は元気に挨拶ができるといいですね。あとは最近よく話していることですが、感謝・素直・愛です。周りの人や先輩や後輩、同期にも感謝することを大切にしてほしいです。ほかにも、成長している人は素直な人が多いです。いきなり否定から入ってしまうと、そこでブレーキがかかってしまうので、まずやってみることが大切です。最後に愛ですが、会社を好きになってくれる人のほうが伸びます。会社が好きな人ほど成長できます。

 
 

−従業員の方にお聞きしました−会社で働くやりがいを教えてください

 今年の3月に車の営業職から転職したので、入社当時は基板市場の知識が全くなく、市場を知るところから始めました。小ロット多品種短納期を武器にしているので試作のお客様が多く、前職とは売り方への考え方が違うので、お客様から教えていただいたり、諸先輩方に様々なことを教えていただきました。学ぶことが多いところがやりがいです。お客様とのコミュニケーションをとることにより、製品が出来上がることもやりがいの一つです。

 (営業部 営業2課 今村 諒)

 

 

代表から一言

富士プリント工業に就職しようと考えている人は、基板のことを知ってもらいたいですね。電気を使うものにはほとんどすべて入っています。見えないところではあるけど、確実に世の中に貢献できると思いますので、モノづくりが好きな人に興味を持ってほしと思います。また入社前のイメージと入社後のイメージのギャップは、必ずあると思います。ただ、何をやっているか。何をしたいかも大事ですがそこで働いている人・一緒に仕事をする人がどんな人かを見てほしいです。その点に関しては、自信を持っています。冬には忘年旅行、夏には日帰り旅行などのイベントや、趣味を通じたイベントなども積極的にやっています。
 

 

取材学生の感想

社長がおっしゃっていた、「電気を使うものほぼすべてに基板は使われている」という言葉にとても共感しました。普段基板は、カバーの中に隠されていて、日常生活においてその存在を認識する機会がない基板ですが、確実に社会を支えています。基板を作っている富士プリント工業株式会社は、まさに縁の下の力持ちだと思いました。
取材と同時に、工場の見学をさせていただきました。どの部屋に入ったときも、従業員の方が気持ち良い挨拶をしてくださり、とても雰囲気が良い会社だなと感じました。
 

東京工業高等専門学校

電子工学科 4年 河合 瑠以