CO.HACHIOJI元気な企業インタビュー

第95回 (株)サンキューコーポレーション

『ありがとうを運ぶ』

取材先 株式会社サンキューコーポレーション(代表取締役社長  秋山 悟氏)

所在地 東京都八王子市鑓水2−175−1

電話 042-674-0999

URL http://www.0999.co.jp/

 全ての業界の縁の下の力持ちであり、私達の生活を支える物流業。インターネットで買い物ができる時代になり、さらにスピード感や日々新しい時代に合わせて変化するサービス業。
 今回取材に訪れた「株式会社サンキューコーポレーション」は、トランクルーム事業、通販の出荷代行業務、物流診断等やお客様の物流をそっくり受け持つサードパーティー・ロジスティクス等数々の物流企画を提案している。この度、代表取締役社長、秋山悟氏と新しいアイデアを0から立ち上げた取締役で八王子ロジスティックスセンター長の水谷まゆみ氏、取締役で企画部部長の大谷博美氏の御三方にお話を伺った。

 

 

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      取締役 大谷博美氏    代表取締役社長 秋山悟氏  取締役 水谷まゆみ氏

 

 

 

 

 

事業承継

 父でもある創始者で先代・秋山淳郎氏によって車両1台から丸喜運輸有限会社を設立し運輸業を営んでいた。時代は高度経済成長で名鉄運輸と業務提携し、三多摩エリアに合理的に複数路線業者の集配、配送、集荷等、契約企業300社にまで成長した。
 仕事はあるが人手不足で仕事が回らず、必然的に長時間労働になり、さらに社員が辞めていく厳しい職場環境であった。働き手が少なく存続が厳しくなる中、当時大学生で長男の秋山氏は会社を閉めると言う父の言葉に奮起し、会社を継ぐ事を決心し大学を中退して入社した。
 会社を継ぐ際に当時行っていたサービスは行わないと決心し、これまで誰も手を出していない未知の領域を目指すチャレンジが始まった。

時代を先取りしたトランクルームサービス収納館

 以前から家の建て替えの引越しサービスの一つに家具等、コンテナで一時的に管理をするサービスを行っていた。それをヒントに平成5年にトランクルーム事業で書籍に特化したサービスをスタートした。トランクルームとは、倉庫業法により国土交通大臣の登録を受けた倉庫事業者が、消費者の家財・美術品等を、一定期間預かり保管管理を行うための施設、業務体制が優良である旨の認定を受けた倉庫のことである。当時、倉庫業の資格を持ち国土交通省がトランクルームの約款に基づいて、認定を受けた100%トランクルームで行う倉庫業を日本で初めて行った。
 そのサービスを実現する為に、手探りで行った苦労話を大谷部長に伺った。
「当時、どこもトランクルーム事業をやっておらず、真似する所がない為、自分達で法律用語や契約書を作成、また約款や規約を作成する為に色々な会社に飛び込んだ。また、新しいサービスなので、雛形を作って弁護士がジャッジをするといった気の遠くなる作業であった。
 また、同時並行で何を保管するのか等が決まっていなかったので家庭であふれている物は何なのか、主婦の井戸端会議や幼稚園の送り迎えをするお母さん等にヒアリングを行った。行き着いた先は書籍となった為、書籍に特化したサービスに決定した。
 さらに建物が建つ前から営業活動も行っていた為、建物が完成に近づくにつれて、トランクルームの利用後の空きを作るわけにはいかない、というプレッシャーにさいなまれた。サービスがスタートして大口の契約が取れたものの直に切れしまい痛い目にもあったが、書籍を保管するニーズに上手くマッチする事が出来き軌道に乗った。」
 現在、同社はフランチャイズのサービスを行っていて、事業を行いたい方には経営指導や一緒に営業の同行やコンサルティングと言ったサービスも展開している。

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トランクルームサービス収納館

高い管理基準と通販の出荷代行業務を行う八王子ロジスティックスセンター

 八王子ロジスティックスセンターの水谷センター長に特徴を伺った。

 食品や化粧品、雑貨等幅広いジャンルを扱えるような厳しい管理基準をクリアする為に、施設投資や常に新しい商品の認定許可申請等、余念がない。そのため安心して依頼をして頂ける環境を整えている。

 また、独自にサーバーを保持し、お客様に合わせたシステムの構築も社内で行っており、スピーディに対応している。
 主に、通販の出荷代行業務を行っており、現在は約200社との契約を結んでいる。
取引先は大手企業から個人事業主まで多岐に渡る。
基本業務は商品の保管・入出庫・発送であり、料金は別途になるが、受注業務から全部お任せをする事も出来る。例えば、商品の発注、代引きや月末の売上送金、電話対応からクレーム処理までも行う。また商品が売れるようにアドバイスを行う等サービスが木目細かい。
さらにプライバシーマークも取得しているので安心して業務が委託出来る環境が整っている。積極的にこれから成長する取引先をサポートする体制を整えている。

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八王子ロジスティックスセンター

八王子ロジスティックスセンターの通販サービスを支えるパートナー

 1日約2万個の商品を捌く。女性がメインに働いているので、男性では気づかない女性ならではの丁寧な作業と細かい所に気を使う事が出来る所がポイントである。手間のかかるラッピングやニーズに合致するように細部にも気を使う。
 例えば、お届先を想像して長い爪が流行っている年代の場合はテープが剥がしやすい梱包にする。また、現場のスタッフは伝票を見て内容を瞬時に想像して梱包を行う。
アパレルの場合は何万着もある服を丁寧に検品し解れている所等を確認し、修理が可能な場合は縫ったりして直すサービスも自主的に行っている。
各自自主的に担当している店舗のレビューを見て、梱包が良かった等のご意見が一つでも増えるように、常に手元に届くお客様の笑顔を想像しながら仕事に取り組んでいる。
また、手が空いている者がいれば自主的に滞っている所に入りサポートをする等、指示を待つのではなく自分で考えて行動している。

日々改善

 毎日、現場のスタッフは日報を提出する事が日課になっている。フロアの担当者がその日の内に集計を行い、何故この取引先にこんなに時間を費やしたのか、または収益はしっかり取れているのか等、日々分析し、効率良く作業が終わるように商品の置き方等工夫し、常に一人ひとりが業務全体を考え従事している。
 また、現場でアイデアが出れば直ちに実行し、ダメだったらまた考え直せば良いといった
チャレンジがしやすい環境になっている。
 毎年決算後の4月に主任以上の社員を対象に役員も含めて年間の売上目標等、活動方針についてのミーティングを行っている。一人ひとり課題に向き合い目標に向けて1年間どのようにすれば良いのかを実行している。更に検証を行い日々考える力を養っている。 
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  効率的に作業が出来る手作りの作業台      作業台に作成した手作りのクリップ入れ 

柔軟な勤務体系と働きやすい環境、地域に愛される取り組み

 離職率の高い業界なので、人の確保のご苦労について伺った。
秋山氏は人集めに困った事はないと言う。働いているスタッフが100%力を発揮が出来るように工夫をしている。
 そして、水谷センター長は「女性スタッフが多いので、小さい子供をお持ちのご家庭では時として、短時間勤務や長時間勤務の希望があり、柔軟に対応出来る体制をとっている。また、学校の用事で中抜けも出来る自由な勤務も可能だ。やむなく急に休む場合でもお互い様の精神が行き届いており、スタッフ同士助け合っている。また、人それぞれ得意不得意分野があるので適材適所になるように配置を行っている。」
 各スタッフが何処まで技術を取得したのかを理解をする為のチェックも怠らない。
働く人にとってどんな仕事をするのか、職場の雰囲気等知って頂く為にお試し期間を設けており、お互いに気持ちよく働けるように気遣っている。
さらに多摩ニュータウンの一角である為、車での通勤の場合は申請をすれば無料で駐車場を利用する事が出来る。
 年に1回、夏に駐車場を利用してバーベキュー大会やビンゴ大会等を開きスタッフの親睦を深めている。
 地域に根をおろした営業活動として町内会のお祭りや芋煮会そして地域貢献の為に中学生の職場体験の受け入れもしている。

これからのサンキューコーポレーション

 最後に、サンキューコーポレーションのビジョンについて伺った。
 秋山氏は「激しい時代の中で、5年後、10年後は世の中何が起きるが分からない。今計画を立ててもそれが時代とマッチしていない可能性があるし、その考えが間違っている可能性がある。仕事の枝をどんどん増やしていく事が大切である。具体的には新しい商材が扱えるように環境を整えたり、新しく出会うお客様の要望に答えたりする事によって新しいビジネスチャンスが広がる可能性がある。私達が行っている事はサービス業なので、お客様に何を与えれば良いのか常に考え、安全な仕組み作りが大切である。
 時代に合っていれば、「場所」「人」に物流業が少し携わっていれば良い。変わらない思いとしては最大限の利益を出して社員・パートナーに分配をする。
 他社の真似をする必要はないし、自分達の考えで自分達のプランを考えてオリジナルを考えればよい」と力強く語った。
水谷センター長も「柔軟性をもって対応をしようと考えている。基本的には、一緒に働いている仲間がやりがいを持って、楽しく働ける環境で収益を上げる事に努力する」とも語ってくれた。

 

編集後記
 今回の取材を通じて、長期ビジョンを質問した際に、先の事は分からないので時代に合わせて柔軟に対応をしていきたいとの答えで、数々の新規事業の立ち上げを行った実績と経験からどんな時代になっても柔軟に対応ができるという自信。一方、現場で働いているスタッフの職場環境の改善にも余念がない。
 取材後に倉庫の見学をさせて頂いた時に、スタッフの笑顔を見る度、日本を代表する幸福度の高い企業の一つと感じた。

(取材日2016年4月20日)