CO.HACHIOJI元気な企業インタビュー

第82回 タンタンコーポレーション(株)

ITを活用した新たな商品販売法

取材先 タンタンコーポレーション株式会社(代表取締役社長 丹澤誠二)

所在地 〒192-0081 東京都八王子市横山町9-13

電話 042-642-1232

e-mail  tantaninfo@tantan.co.jp

URL http://www.tantan.co.jp/

 
タンタンコーポレーション代表取締役の丹澤社長
 
  
 家に居ながらにして様々な情報を手にできるようになり、インターネットを通じての商品売買はいまや当たり前の時代になりつつある。  そのような中で今回紹介する企業は1946年(昭和21年)に創業し、家電小売店として多摩地域を支えてきた「電気の家庭科学」から2000年(平成12年)ネットショップへと華麗な事業変換を遂げたタンタンコーポレーションである。 八王子という地域だけでなく日本全国へと販売経路を拡大し、大きな成長を遂げているタンタンコーポレーション。その代表取締役社長である丹澤誠二社長にお話を伺った。
 
 

家電量販店からネットショップへの転身

 昭和21年に東芝の八王子地区家電量販店第一号としてオープンした電気の家庭科学。最盛期には多摩地域に10店を数えるほどであったという。家電量販店として地域に根差した企業であり、高度経済成長も手伝い、三種の神器、3Cの普及などもあり家電品の販売は好調、店舗も拡大し、まさに「地域の電気屋さん」という地位を確固たるものとした。

 タンタンコーポレーションに現在も受け継がれている良い商品を安く販売するという方針はこのころからすでに存在していた。

 

 しかし、順風満帆に思われた電気の家庭科学だったが、ここにきて大きな危機に直面する。

 バブル経済の崩壊である。それまで成長を続けてきた業績は止まり、売り上げは徐々に落ちていく一方。多摩地域にあった店舗も一つ、二つと姿を消していく。電気の家庭科学は追いつめられた。

 

 PCに向かう従業員の方々。ここが実質的な営業だ。

「このままではやっていけない」父から企業を受け継いだ丹澤社長はそう感じ、これまでの電気の家庭科学という社名を捨て、全く新しいビジネススタイルに挑戦することになった。それがネットショップである。

 家電の仕入れルートはそのままに、「店がある」という信用を捨て、その代わりに販売網の拡大を考えた。

たった一人で始めたインターネットを用いた売買。はじめは「本当にうまくいくのか?」というような声もあったという。

 そんな心配とは裏腹に業績は右肩上がり。顧客重視のネットショップということで徐々に利用客は増えていく。

 安さとサービスを両立させたタンタンコーポレーションは大成功を収めた。

「ネットショップで最も重要なことはいかに相手の信用を勝ち得るかということだ」一度利用していただいた方にもう一度利用してもらう。そのための努力がネットショップでは欠かせない。

 

 丹澤社長は「安価だけではなく、同じ値段の商品のときいかにサービスを充実させているか」それがポイントだという。安価な商品を提供するだけなら信用は得られない。一軒一軒地道にサービスを充実させているからこそお客様からの信頼を勝ち取れる。そんな信念が見て取れる言葉である。

  
  
 

徹底した「親切」「迅速」対応で顧客満足度、日本一のネットショップになろう!

発注、出荷を一手に担う事務所  タンタンコーポレーションが最も重視していることはお客様の信頼をいかに勝ち取るかということである。彼らが目指すことは徹底した顧客満足であり、そのために大きく神経を使っている。ネットショップは相手の顔が見えない。それゆえに信用が第一である。その信念のもと会社が一丸となって顧客満足度100%を目指す。 「商品の99%はきれいに流れる。問題は残りの1%をどうフォローするかだ」 ここがタンタンコーポレーションのもっとも大きな特徴である。大規模なネットショップであるならば100のうち1を失うとしてもその巨大さから残りの99を重視し、さらに多くの商品を販売する方がよい。しかしタンタンコーポレーションでは10000に1の不満も許さない、という社員への教育を徹底している。
 これはタンタンコーポレーションのようなネットショップにおいては一つのミスが多くのロスに直結しているためである。 
 「お客様一人一人に買ってよかった、また買おう、と思っていただけるようなサービスをする」
 

 丹澤社長の顔には自信が満ち溢れていた

 

 

~失敗を糧に~ネットショップの側面

 順調に成長を続けているタンタンコーポレーションだが、その道は平坦なものではなかったという。その中でも最も大きいものが2007年に変更した受注システムとそれに付随する混乱だ。従来の受注システムを変更し、新しいシステムに切り替えた結果、商品や配送が目茶苦茶になってしまったという。 
 

「頼んでいた商品と違う」「商品が届かない」毎日クレームの電話が鳴り響き、中には倒れてしまう社員もいたとか。

 

「商品がないので自分で車を運転して大宮まで液晶テレビを買い付けに行ったりしましたね」

 

お客様のニーズには迅速に対応  
 とにもかくにもお客様に商品を届けなければならない。損得よりもお客様に満足頂くため社長から従業員までが必死に対応、システムを修復し、使いやすいシステムに進化させた。
  

 結果的には従業員全員が「痛み」を知り、さらなる発展のきっかけとなった。まさに雨降って地固まるといった展開だろう。

 

 

売上№1でなく顧客満足度№1へ

 在庫管理も重要。1階と2階には所狭しと商品が並ぶ  タンタンコーポレーションの2年前の総売り上げは25億、昨年度は32億と30%単位で年々伸びている。今年の売り上げも前年比で同月20%増しだとか。ホームページへの総アクセス数は110万を超え、一日に2000~3000もの人々が訪れている。PVは1日5万件だ。  現在250以上の企業と取引があり、総商品数は8万点以上。中にはブランド物や宝石、玩具といったものまで商品が並ぶ。これでさらに新規取引先を募集中というのだから驚きだ。 しかし、社長はあくまで謙虚である。「売上50億などノルマを作って無理はしない。無理をすれば必ずどこかにしわ寄せがくる。自分たちで努力して自然に伸びた分をよしとする」お客様の信用を勝ち取っていけば業績は自然と伸びていく。

 ネットショップという顔の見えない売買だからこそ信用が大事である。そんな丹澤社長にこれからの事業展開を伺った。

 

「ネットショップは日々変化している。去年売れたものが同じように今年売れるとは限らない。だからこそ柔軟な対応が重要。また、お客様への対応も常に強化していかなければならない」

  

新しいビジネスモデルを作りだした社長のこれからは明るいようだ。

  

 

 
編集後記
(取材日2010年5月13日)
 お話を伺った丹澤社長はITを活用し多摩という狭い商圏から飛び出し、全国規模に商圏を拡大したという会社である。
 これまで持っていた「家庭の電気科学」という看板を捨てて、まったく新しいビジネスを始めた丹澤社長の勇気には非常に驚かされた。
 2000年1月1日に創業されたそうだが、その理由は2000年問題に配慮するため、だそうである。そのころからインターネットはブロードバンドが爆発的に普及し、一家に一台パソコンが置いてある時代になった。
まさに時節を読む力が勝利した結果と言えるのではないだろうか。
 
 「ネットショップで一番大事なことは信頼関係の構築」この部分をなんども強く主張された社長は顔が見えないゆえの商売の難しさを我々に示してくれる。
 景気低迷の中でも業績を伸ばし続けるタンタンコーポレーション、それはこれまで積み上げてきたお客様とタンタンコーポレーションとの間の「信頼関係」がなせる技だろう。            (了