CO.HACHIOJI元気な企業インタビュー

第79回 第一合成(株)

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柔軟な発想でニッチな業界を支える

取材先 第一合成(株)(代表取締役 河野 良子)

所在地 八王子市元本郷町1-25-5

電話 042-628-1100

e-mail info@daiichigosei.co.jp

URL daiichigosei.co.jp/

■設立/1975年9月  ■資本金/6,000万円  ■社員数/17名
■事業内容/物流機器、静電気対策製品、文化財保存・展示・普及関連
製品、森林保全関連製品の設計、製造、企画、製作、販売

 

八王子市元本郷町に本社を構える第一合成株
式会社は、1975年9月に設立され従業員が約
40名、「工業部門」「文化財部門」「森林部門」
の3つの部門がある。ニッチな業界を支え続
ける第一合成は、コンテナの販売からはじま
り、企業の専門的な道具や機材が欲しいとい
う要望に合わせた製品作り、河野社長による
働く環境・ヒト作りのもと、社員からの提案
で新たな製品を作り続けて成長している企業
である。

 

 

自社の強みや魅力はなんですか?

 こだわりがあるようでない社風が強みです。会社の規律や規範の上で発想は自由にして良いという考えのもと、従業員の意見を潰さない環境づくりを心がけています。そうした環境で従業員は自発的に新製品の開発を行なっています。その最たる例が新製品の「WIPE」というホワイトボードです。この製品は製造部の「このままプラスチックの箱ばかりを作っていられない」という危機感から2019年度の東京ビジネスデザインアワードに応募、デザインユニット「 9FEET design」と協働で開発し、テーマ賞を受賞後商品化。今年の8月からクラウドファンディングサービスの

「makuake」にて先行販売を行うなど従業員発信で進めている開発です。他にも施設の入場者・退場者を機械で自動カウントし、音声とモニターで入場可否をアナウンスするカウンターゲートや飛沫感染防止デスクパーテーションなどの開発も行なっています。「無いものは作ればいい」という開拓者精神で主力の輸送用のトレー・箱や文化財関連商品だけでない商品作りにもチャレンジしています。

 

どのような製品/サービスを提供していますか?

 

 

 工業部門ではプラスチックをメインとした搬送用のトレーや輸送箱を大手の電子機器メーカーやロボットメーカーに向けて販売しています。また工場のコンベヤライン上で製品の破損防止や製品の位置決め・搬送・検査などが行えるラインパレットの製造を日本で唯一専門的に行っています。
文化財部門では発掘調査や発掘した文化財の保護に用いる器具や、発掘した文化財の保存や展示をするための製品の製造を行い、全国全ての発掘調査ポイト、博物館と取引があります。
森林部門は第三の柱を作りたいとの考えから2015年に設立された新しい部門で、苗木を半自動で植える植栽機を開発し販売しています。

 

従業員に求めるスキルはなんですか?

年代でも違うと思いますが、20代の方は自分を決めつけて入社する人が割と多いと感じます。こだわりを持ち過ぎずにまずは会社に習うことで、自分の新たな一面を発見することができると思います。30代以降の方はこれまでの経験が素晴らしいものである一方で足枷になって自分を確立できないことがあります。そのやってきたことを一旦置いて、会社に染まってみるということが一つの解決策ではないかと思います。共通して従業員に求めるのはそういったことができる柔軟性です。

 

−従業員の方にお聞きしました−会社で働くやりがいを教えてください

ニッチな商品を扱っている会社で世の中を下支えさせてもらっています。工業部門・文化財部門・森林部門ともに日本の現場を人知れず支えているというところにやりがいを感じています。私は新卒2年目に第一合成に転職をしたのですが、以前の企業が毎日与えられたタスクをこなすだけだったのに比べて、第一合成は新人の自分にも仕事を任せられて、自分の考えで仕事を進められる環境を与えられています。当然責任は伴いますが、やりがいを感じています。

(営業部 部長 山上 隆)

 

代表から一言

私は29歳の時に会社を継ぐという大仕事をすることになりました。その時の大変さを考えると早くから準備しておけばと考えてしまいます。ある程度一年後の自分をイメージして準備をしていかないとアッという間に時間は過ぎていきます。20代こそ自分に甘えずしっかりと目標を立てて行動していけば30代以降、何かあった時でも周りのせいにせず、自分がやってきた結果だからと受け入れられる素晴らしい人材になれると思います。一年一年を自分を高める時期と考えて大事に過ごして欲しいです。

取材学生の感想

社長の河野さんは非常に戦略的な方だという印象を受けました。新たにできた森林部門は、しっかりとその業界を研究して、進出できるという確信を持って進められていました。
工業部門においても物流という大きな業界の中でも静電気対策分野に特化するように、ニッチではあるけれど確実に需要がある。というところをピンポイントで狙ってシェアを広めていくやり方は、かっこよさを感じました。
東京工業高等専門学校
情報工学科 4年 諏訪部 友希